Xで数多く投稿されている #名刺代わりの小説10選 を「シリーズ小説」で自分なりの10選を発表してみます。第5回目(ラスト)です。
目次
奥田英朗『Dr.伊良部』シリーズ
トンデモ精神科医・伊良部一郎は、本当に迷医なのか?それとも実は名医なのではないか?」
このシリーズは、連作短編集となっており、短編ごとの主人公たちが患者として、毎回『伊良部先生』に振り回される展開。患者たちは、伊良部の嫌がらせのようなトンデモ行為に翻弄されるのだが、何故か病状は快方に向かっていくのです。
注射大好きのミニスカ看護師のマユミちゃんの存在が徐々に無くてはならなくなっていくのも興味のひとつです。
ドラマ化されており、主演も、阿部寛、玉山鉄二、徳重聡と、多彩。
読む順番は、
『イン・ザ・プール』
『空中ブランコ』
『町長選挙』
『コメンテーター』
です(2024年9月時点)。
太田愛『犯罪者』シリーズ
太田愛さんは、「相棒」などのテレビドラマの脚本家として活躍後に小説家デビュー。
その手法で、冒頭からぎゅっと心を掴まれたように引き込まれてしまいます。
巨悪に立ち向かう登場人物たちの闘いと、テンポのよいスピーディーな展開で、ずっと飽きること無く最後まで楽しく読めてしまいます。
このシリーズ三部作は、
元テレビマン、その助手?、組織からはずれ気味の刑事、
の3人が組み事件の解明に向け闘います。
第一作の『犯罪者 クリミナル』は、
大企業の消費者への隠ぺい工作、政治家の裏取引を対象に・・・
上下巻に分かれる大ボリュームですが、その面白さから難なく読み切ることができます。
二作目の『幻夏』は、冤罪がテーマであり、司法との闘いです。
涙なしでは読めない感動の作品。
三作目は『天上の葦』上下巻です。
紹介した三作は、「シリーズ」という呼称より「三部作」と呼ばれる方が多く、
四作目があるのかどうかは不明です。
「ある」ことを期待して楽しみにしておきます。
こちらもご覧ください。
以上で、5回に渡った「名刺代わりのシリーズ小説10選」を終わります。